テスラの普及帯価格の電気自動車「テスラ Model 3」の生産が開始になりました。
普及価格帯と言っても400万円弱なのでそこそこの値段ですが、この価格で最先端の自動運転が体験できるのあれば、安いと言えるのかもしれません。
ぴっくりのインテリア
Model 3で驚いたのはインテリアです。
メーターがありません、また、コンソールもありません。これまでのクルマと比べると、びっくりするほどシンプルで革新的なインテリアです。
これまであった表示装置やスイッチは、コンソール中央に鎮座している15インチのタッチディスプレイに表示されて操作します。Model Sには、ハンドルの向こうにメーターがあり、ここのがディスプレイになっていましたが、Model 3にはこれもないので、上位モデルよりも攻めています。
https://www.businessinsider.jp/post-100548
老舗のクルマ
話しは逸れますが、私はMercedes-Benz SLK 55 AMGという、なんとも自動車税がお高いクルマが愛車です。これのコンソールは、純正だとボタンだらけのです。
最初見た時は、もう少し整理してデザインできなかったのかと感じましたが、使ってみると便利で、多くの場合は機能ひとつに対して、ひとつのボタンが割り振れていることに気付きます。これが、非常に明快で移動中もストレスなく機能にアクセスできて使えます。
また、操作できるものは、軽く押せない・軽く引けない、必ず動作音がするなど、どれも一貫したフィードバックがあります。
時代に合わせた?それとも無茶?
タッチ操作が当然の世代に対して、古式ゆかしいクルマのUIを提供するのではなく、これにあったUIを提供すべきと考えるのテスラには賛同できます。
古い考えやしきたりに囚われないクルマを造るテスラは尊敬に値します。
しかし、少し冷静な目で見ると、すべてアイコンで表現できる幻想に取り憑かれたアプリのUIと同じで、今回は無理なことにチャレンジしているのはないかとも感じます。
ひとつのボタンにひとつの機能を割り当てるのは、タッチパネルでも実現できますが、物理ボタンで得られていたフィードバックは実現できません。たとえば、空調やオーディオなどは運転中や不安定な状況で操作するので、物理的なフィードバックは誤操作を防ぐ効果があります。
いまのクルマに乗らなければ、気付くことはなかったと思いますが、コンソールに沢山並んだボタンは誤操作防止のためで、これが快適な環境を提供することになります。これが理解できた時には、さすが100年以上クルマを造り続けたメーカーと感心しました。
メディアは、Model 3のインテリアをミニマルと書いていますが、私は引いた分と同じだけ、失っている物もあるように見えます。ただ、これは見た目や短時間触っただけでは真価は分からないので、Model 3を長期間使ってみたいと感じています。