ウェラブルジンバル「Feiyu Tech WG」とアクションカム「SJCAM SJ6 Legend」の組合せで使うと、SJCAM SJ6 Legendのマイクがジンバルのモーター音を拾ってノイズになります。
このノイズを軽減しようと試行錯誤した結果、波形編集ソフトを使った後加工で満足のいく結果が得られたので、その方法を紹介しておきます。
使っているアプリ
動画の音声編集ですが、波形編集ソフト「Audacity」を使います。
Audacityは、UI は少しクセがありますがフリーで使える波形編集ソフトでは高機能です。
映像編集ソフトはFinal Cut Proを使っています。
Audacityで音声を編集した後、WAV形式で音声だけをファイル出力して、Final Cut Proで映像とミキシングしています。
ノイズを除去するために
ノイズを除去には、音声の周波数帯がノイズなのかを確認します。
Audacityには、スペクトラム表示とスペクトログラム表示の2種類の方法があります。これを見比べながら、どの周波数帯がノイズなのかを確認しながら見極めていきます。
ある程度見慣れてくると、スペクトログラムの表示結果を見ればノイズと判断できます。
スペクトラムでノイズを確認する
- Audacityで、編集対象の動画ファイルを開きます。
Audacityは、動画ファイルのMP4が直接開けるので、音声ファイルに変換する必要はありません。 - 次に「解析」メニューの「スペクトラム表示」を選択します。
- 一般的には、右側の周波数(Hz)の高い方へ向かって右肩下がりの絵になります。
この中で、先の尖った山がピンと飛び出した部分があります。これがノイズです。 - 飛び出した山にカーソルを移動すると、頂点部分の周波数が確認できます。この値は「Peek」に表示されるのでメモしておきます。赤い枠の部分がノイズと思われる箇所で、もっとも低い周波数のピークは2836Hzです。
スペクトログラムでノイズを確認する
先の方法とは別の方法でもノイズを見極めます。
- 波形が表示されているパネルの横にあるドロップダウンメニューから「スペクトログラム」を選択します。
- 濃淡のある表示が変わります。色の濃い部分が振幅がある部分です。たとえば、6000Hz付近で最後まで振幅がありますが、これはノイズの高音部分だと考えられます。
- 先のスペクトラムで確認したノイズのピーク値の周波数辺りで、振幅が続いていればノイズだと考えて間違いないです。
確認したノイズ
先の二つの作業で確認したノイズのピーク値は以下になります。
- 2836Hz
- 4987Hz
- 5993Hz
- 6991Hz
ノイズを軽減する作業
- 「エフェクト」メニューの「Notch Filter」を選択します。
- 「Frequency」に先でピックアップしたノイズのピークの周波数を入力します。
- 次に「Q」の値を指定します。
値が大きいとFrequencyで指定した周波数のみが引き下げられて、小さいと周辺の周波数も一緒に引き下がります。ノイズ除去なので、やりすぎると不自然な感じになります。いくつかの値で試してみて不自然にならない値を設定します。私は、以下にしています。
- 2836Hz : 9
- 4987Hz : 50
- 5993Hz : 20
- 6991Hz : 40
実際に試して結果
試行錯誤した結果をYouTubeに公開しているので、よろしければご覧ください。
以下は、加工後のスペクラムとスペクトログラムです。ノイズが軽減されたと思います。
ノイズを軽減する手法は確立できたと思っていますが、毎回、この作業をするのは面倒なのと、後加工は限界があるので、マイクを用意するなど撮影環境を充実させた方が良さそうです。
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