Samsung DeXはテレワークで活用できるのか検証した

Samsung DeXはテレワークで活用できるのか検証した

これまでスマホと接続するとノートPCになる『Mirabook』を紹介しました。これは、ノートPCのような形状をしていますが、ディスプレイとキーボード、トラックパッドがセットになっているもので、Androidを接続して使います。

たとえば、Mirabookに接続するにはDeXをサポートするGalaxyが必要になります。Mirabookの使い勝手は、DeXも一部を担っているとも言えるので、今回はDeXの使い勝手をご紹介します。単なる紹介では面白くないので、テレワークで活用できるかをテーマに検証してみます。

YouTubeに動画版を公開しているので、動画がよければこちらをご覧下さい。

DeXはどういったものか?

DeXはSamsungの独自拡張で、Windowsのようなマルチウインドウ、マルチタスクを実現する環境です。ただ、Samsungのスマホであれば、どれでも使えるわけではなくGalaxy S8以降で使えます。このシリーズ以外では、Galaxy Foldでも使えます。

DeXは、Galaxy S8シリーズの頃から地道に開発を進めており、初期のろと比べると随分実用的な環境になりました。

https://www.galaxymobile.jp/apps/dex/

スマホのアプリが使える

端末で動作するアプリはDeXでも使えると考えてください。ただし、アプリによっては、ウインドウサイズがリサイズできないなどの制限が付くことがあります。

制限付きのアプリは、縦長のウインドウで表示されます。今どきは、スマホアプリからしか使えないSNS(たとえば、TikTok)があり、PCで使えず不自由な思いをすることがありますが、DeXでは、こうしたアプリが使えます。

動作はサクサク?

動作速度はスマホと遜色がありません。DeXだから遅いと感じるのはことはありません。厳密に言えば、スマホとDeXで2画面分描画しないといけないので、理屈の上では描画は遅くなっているはずですが、気になるほどでもありません。

キーボードとマウスで操作

DeXの操作は、キーボードとマウスを使います。
操作方法は、Windowsと同じなのでDeXのために何かを覚える必要はありません。キーボードとマウスは、USB接続だとハブを用意する必要があるので、Bluetooth接続のそれらを使うことになります。

日本語表示と入力

議論するのはナンセンスかもしれませんが、DeXは日本語化されており日本語表示もできます。
日本語入力も可能です。ただ、満足して使えるのはSamsung純正の日本語入力アプリのみです。また、インライン入力ができないので、これもPCとは使用感が異なります。ベースのAndroidでは、日本語入力アプリは制約なく使えるので、DeXに制限を設けているのは不思議です。

デジタルウェルビーイングも使える

スマホの使い過ぎを抑制するデジタルウェルビーイング機能もDeXでもそのまま有効です。使い過ぎは、スマホだけに限った話ではないのでDeXでも有効になります。DeX環境で使っていれば、スマホとトータルで計算されるので、本当の利用状況が把握できて、必要であれば改善するためのキッカケ作りになります。

アプリの動作検証

テレワークで使うことを前提でアプリを検証します。DeXで動くアプリは数多くありますが、アプリごとで対応度合いが異なるので検証してみます。

ウェブブラウザ

検証したのは、Samsung純正のウェブブラウザとGoogle Chromeです。

Samsung純正ブラウザは、DeXを使っている時はデスクトップのブラウザ、スマホで使っている時はモバイルのUser-Agentを付けます。これでなにが嬉しいかといえば、アクセス先のサイトが利用環境に合ったページを表示します。
これのおかげで、DeXで広い画面が使えるようになったのに、ウェブサイトのレイアウトはモバイルサイトが表示されるという悲しい状態にはなりません。

Chromeは、こうした工夫はありません。
ウェブサイトの表示は、モバイルサイズでスマホと同じです。もうひとつ問題があって、スマホの画面がオフになるのと動作が止まり、DeX側のChromeが操作できなくなります。理由は分かりません。スマホのバッテリー消費を抑えるためにやっているのかもしれません。

メールクライアント

個人ではメールを使う機会へ減りましたが、仕事を進めるうえではまだ手放せません。
メールクライアントは、Samsung純正のメールクライアントを使っています。メールのやりとりに必要な機能はすべて備えているうえに、POP3にも対応するので、古いメールシステムのままの企業内でも使いやすいです。

また、画面サイズに合わせてUIが変更されるのも使う理由です。
たとえば、スマホを縦画面で使っている時は1パネルしか表示されませんが、DeXで使う時は、PCのメールアプリでよく見る3パネル表示のUIになります。このUIになることで、画面を行ったり来たりする必要がないので効率良くメールを処理できます。

Office 365

仕事を進めるうえで、必須ツールとも言えるMicrosoft Officeも検証してみます。
機能はAndroidなので、難しいことをしなければPC版が必要ないと思うほどの仕上がりです。
DeXで使えば、スマートフォンで使う時より広い画面とキーボードとマウスが使えるので作業効率は段違いです。DeXだけで完結するのであれば大きな問題にはなりませんが、PCとファイルを往き来する場合は、フォントの有り・無しで仕上がりが変わってくるので、使う時は注意が必要になりそうです。

印刷環境

仕事で使う場合は印刷の必要があることがあります。
自宅ではBrotherのプリンタを使っていますが、設定-接続-その他の接続設定-印刷でBrother用のプラグインを追加することで、問題なく印刷できています。

まとめ

いかがだったでしょうか。日本語入力のアプリがSamsung純正のものしか満足に使えないのは残念ですが、これ以外は大きな不満がありません。
スマホとPCを使い分けると、同じアプリが使えるのかとか、データ同期方法を考える必要があります。この必要が無くなるだけでも利用価値があると考えています。また、外出先でもネットへの接続を意識することなく使えるのもメリットです。
文書作成やメールチェックなど、DeXだけで十分やっていける手応えを得ています。私の環境もこの機会に見直しをしようと考えています。

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